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6)体外受精のリスク Archive

双子にあこがれる?part2

多胎妊娠を避けるためには、体外受精においては移植する胚を1つにすることです。
単一胚移植を行なう理由は、前述の通り多胎などのリスクから回避するため、そしてもう1つは、複数胚を移植しても妊娠率に目立った有意差がないという長年の統計結果(おち夢クリニック名古屋)からです。

リスクからの回避は、
(1)多胎妊娠の予防
(2)キメラなどの子どもへの障害、問題予防など
の予防医学の観点から立ったものです。

多胎妊娠については、胎児数が増えるにしたがって出生体重は減り、流産率が高くなり、22週以降の周産期(出産を中心とした妊娠後期から新生児早期までの時期)死亡率や後遺障害についても高くなる傾向があります。
また母体の合併症(妊娠中毒症など)も、胎児数が増えるにしたがって上昇し、これを回避するために減胎手術(多胎妊娠に対し、胎児の数を減らし、妊娠をより安全により確かに継続し出産に導く方法)をしなければならないケースもでてきます。

不妊治療により、やっと授かった命の火を消してしまわなければならないようなことは、誰しもしたくありません。しかし減胎手術をしなければ、母体も胎児も危ないために、胎児数を減らさなければならない場合もあるのです。やむを得ないことと言えば、それまでかもしれません。けれどそこから生まれる新たな危険やリスクもあり、また癒えない心の傷をつくることもあるのです。

そしてキメラとは、特に胚盤胞を複数胚移植したことにより多胎妊娠をした場合に起こる可能性があるものです。
1つは胎盤共有型の2卵性双胎となった場合に起こる可能性があります。通常2卵性双胎は、1人の胎児に対し胎盤、羊膜、絨毛膜とも独立して持っています。しかし胎盤を共有した2卵性双胎となった場合、通常1人1種類しか持っていない造血細胞が胎盤を通して混ざり合い、1つの体の中に2種類の造血細胞が存在することになってしまいます。これを血液キメラといい、生後、血液型がはっきりせず、輸血が必要となった時に医療機関が混乱し、処置が遅れるといったことも考えられます。
もうひとつは、2つの胚が融合し1つの胚になり、遺伝的には2人の人間が1人になってしまうという可能性も含んでいるのです。生まれてきた赤ちゃんの姿からではわからない何かがからだの中に存在し、それがその後のからだと心の成長にどう影響していくのかはわかりません。

胎盤共有型の2卵性双胎

『多胎妊娠=キメラ』ということではなく、発生頻度としては極わずかな確立です。しかしその極めて稀なことが、複数胚を移植することによってあなたのからだに起こるうるかもしれないわけですから、やはり回避するのが当然でしょう。
体外受精において着床率を上げるためだけに治療を行なうとすれば、多くの胚を移植すればいいのです。しかしそのために多胎となり、母体リスクを高め、子どもを危険にさらすのは、『不妊治療』と呼べるでしょうか。『妊娠するための不妊治療』から、『生まれてくる子の幸せを考えた不妊治療』へと社会全体が意識を高めていく時代がきているのだと考えています。

双子にあこがれる?part1

双子にあこがれる?part1

体外受精で、胚を2つ戻しました。
双子にあこがれますか?

…でも子宮は1人用です。

月経周期が始まり、排卵に向けて卵胞が成長を始めます。
1回の周期に大きくなる卵胞は、10~20個くらいと言われています。このエントリーされた10~20個の卵胞のうち主席卵胞となる1つが決まり、この1つが成長し、排卵されてきます。
その理由は何故なのでしょう。
同じ哺乳動物でもからだの小さいラットや犬は、複数個が排卵され多胎妊娠が可能ですが、からだの大きい哺乳動物は、1つの卵胞を育て、単胎妊娠をし出産します。
それは子宮が単胎を妊娠し、育てることには向いているけれども、多胎には向いていないこと、そして母体も単胎を育てるだけの力は十分だけれども、多胎には十分でないということなのでしょう。
人も同じように排卵される卵子は1つ、だから子宮は1人用です。

1) ママと赤ちゃんの安全と安心のために
1人用の子宮に、2人、3人の赤ちゃんが宿ったとしたら?
いくら伸縮性のよい子宮でも限度があります。出産時3000gくらいある赤ちゃんが2人いたら、それだけで6000g、3人いれば9000gです。子宮の中には、赤ちゃんだけがいるわけでなく、赤ちゃんにはそれぞれ胎盤があり、また羊水も必要です。ママのお腹は、それに耐え、赤ちゃんに栄養を送り続け、出産しなくてはなりません。赤ちゃんもまた成長し、生まれてこなければなりません。
でも多胎の場合、出生時体重3000gの赤ちゃんは育ちません、赤ちゃんは、通常よりも小さく生まれるでしょう。それは、赤ちゃんを育てるための子宮のスペースとママが赤ちゃんへ送る栄養が十分とはいえないからなのです。
1人のためには十分でも、2人以上の赤ちゃんを育てることはとても大変です。そして赤ちゃんの位置するところによっては、成長に危険が伴う場合も出てきます。 
またママのからだの負担も増えます。妊娠中毒症などにかかりやすくなるほか、自分自身のからだを維持するため、赤ちゃんを育てるために、必要以上のエネルギーが必要になります。

2) 出産から始まる育児生活
出産から育児生活はスタートします。
ママのからだは、赤ちゃんに母乳を与えるための栄養が必要になります。また妊娠・出産での疲れ、そして元のからだに戻すために栄養と休息が必要です。
初めての出産なら、戸惑うことも多いでしょう。精神的にも肉体的にも、とても大変です。しかし赤ちゃんがいる、パパもなった、ママになったという満足感と幸福感が勝っているかもしれません。
赤ちゃんは、いろいろなことを要求します。お腹がすいた、おむつが濡れて気持ちが悪い、何だか調子が悪い、その1つ1つの要求をパパとママは「どうしたのかな?」「お腹がすいたのかな?」と赤ちゃんを育てていかなくてはなりません。
新生児のミルクの時間は、約3時間に一度、24時間の体制が生後2ヶ月~3ヶ月くらい続きます。そのためにも不妊治療で心もからだも疲れ切ってしまうわけにはいかないのです。

りん子ちゃん
不妊治療で気になる多胎妊娠
でも安全性を考えたら単一胚移植の意味は、とても重要なのです。

排卵誘発剤のリスク

体外受精を行なうとき、妊娠率を上げるために、また上げさせるために、多量の排卵誘発剤を使用し多くの卵胞を育て、採卵し、受精卵を得ようという「過排卵刺激法」というものがあります。
よく言われるLong法、Shot法などですが、これはその月経周期においてエントリーされる原始卵胞を、1つでも多く主席卵胞と同じように育てようとするものです。しかも本来その周期で使用するはずの左右どちらかの卵巣にだけ薬が作用するわけでなく、両側卵巣に作用するため多くの卵胞が育ち、多くを採卵することができますが、卵巣にかなりの負担をかけます。

通常の卵巣の大きさは、親指大といわれています。
今、自分の親指をご覧になってみてください。この親指大の卵巣の中に、排卵期が近づくと直径20mmに育った卵胞が入っていることになります。あなたの親指の約半分近くが卵胞のスペースになります。しかし卵巣の中には卵胞が1つだけ入っているのではなく、ここにはまだエントリーされるのを待つ原始卵胞が何千万と眠っています。またエントリーはされたが、主席卵胞にならず退縮してからだに吸収される卵胞も入っています。
これがLong法などによる排卵誘発であれば卵巣の大きさはどうなるでしょう。
直径20mmの卵胞が5個あったとしたら、それだけで卵巣の大きさは100mmを越します。それが両卵巣であったらどうでしょう。通常の周期、ホルモン作用からでは考えられないことが、排卵誘発剤によって引き起こされるのです。
卵巣には想像以上の負担をかけることになり、これを繰り返すことにより卵巣の機能が低下し、月経周期が乱れたり、月経痛がひどくなったりする原因にもなります。また回を重ねるごとに排卵誘発剤の反応も鈍くなって、結果的にママになることから遠ざかってしまったり、治療の甲斐あってママになったけれども、月経周期に問題を残してしまったりすることへもつながりかねないのです。

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